2024年05月24日

もっと知りたい!野菜ジュースの栄養Q&A

お店や通信販売などで、種々さまざまな商品を見かける「野菜ジュース」。野菜と比べてどれぐらい栄養があるのか、ジュースに加工すると栄養が偏ってしまうのではないか、糖分・塩分や添加物の摂りすぎにならないか、どんなふうに飲むと効率よく栄養が摂れるのかなど、体のことを考えると疑問は尽きません。今回は、野菜ジュースについてよく耳にする疑問をいくつか取り上げ、その答えについてお伝えします。


野菜ジュースに野菜と同様の栄養はある?

同様ではありませんが、野菜と野菜ジュースそれぞれにメリットがあります。

「野菜は野菜のまま食べるのが、最も効率よく栄養が摂れるはず」、「野菜ジュースはあくまで野菜の代用品で、栄養面では劣るに違いない」などど思い込んではいませんか。
確かに、野菜と野菜ジュースの栄養は同様ではありませんが、「野菜の方が栄養をたくさん摂れる」、「野菜ジュースは栄養が少ない」といった優劣があるわけではなく、野菜には野菜、野菜ジュースには野菜ジュースにしかないメリットがあるのです。

野菜をジュースにすることで失われる栄養素もある

商品にもよりますが、一般的な野菜ジュースは、製造工程で野菜を絞ったり、熱を加えたりして加工されるため、その際に食物繊維や、ビタミンCなどの栄養素が減少してしまう場合があるといわれています。
つまり、野菜が本来持っている食物繊維やビタミンCについては、野菜をそのまま食べた方が効率よく摂れる可能性が高いというわけです。[1]

野菜ジュースにすると体への吸収率が高まる栄養素もある

野菜の栄養素のなかでも、カリウムやカルシウムといったミネラル類、天然色素のカロテノイドなどは、加熱しても減少しにくく、野菜ジュースでも比較的摂りやすい栄養素といえます。また、食品の栄養成分は、その食品を食べたからといって、含まれている全ての栄養成分が体に吸収されるわけではなく、幾分かは体外へ出てしまいます。

食品に含まれている栄養素のうち、どのくらいの量が体に吸収されるかを示す割合を「吸収率」といいます。
トマトなどに多いリコピンや、緑黄色野菜に多いβカロテンといった栄養素は、野菜ジュースなどの加工品になると、野菜を生のまま摂るよりも吸収率が高まるという研究結果も発表されています。[2,3]

野菜ジュースで摂りづらい栄養素とは?

野菜ジュースと一言で言っても、商品によって摂りづらい栄養素は違うので、それぞれの栄養成分表示を確認しましょう。

「野菜ジュース」といっても、その成分や製法などは千差万別ですし、常に研究開発が進んでいる商品ジャンルでもありますので、日々さまざまな特徴を持った新商品が登場し続けています。
つまり「野菜ジュースだから含有量が少ない、摂りづらい」と一概に言い切れるような栄養素はないといえます。それぞれの商品に含まれている栄養成分は、パッケージに記載されている「栄養成分表示」を見ることで確認できます。

野菜ジュースの「栄養成分表示」で確認できる栄養素は?

食品表示基準では、原則全ての「一般用加工食品」に、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量に換算したもの)の表示が義務付けられています。
野菜ジュースも「一般用加工食品」に該当するため、パッケージにこれらの含有量が表示されているはずです。その他に、食物繊維、糖質、ミネラル、ビタミンなどは任意表示とされていますが、健康維持を目的に飲まれる機会が多い商品ということもあって、これらの成分量も表示している商品が多いようです。[4]

「摂りすぎの心配がある栄養素」にも注目して

野菜ジュースに表示されている「栄養成分表示」では、積極的に摂りたい栄養素に加えて、ナトリウム(食塩相当量)や糖質など、摂りすぎを避けたい栄養素もチェックできます。
時には野菜ジュースの商品同士で栄養成分表示を比較したりしながら、自分の目的に合う野菜ジュースを探していきましょう。

野菜ジュースの飲み方で栄養成分の吸収効率が変わる?

飲むタイミングや組み合わせる食品を工夫すれば、吸収率アップが期待できます。

野菜ジュースに限った話ではありませんが、食品に含まれるエネルギーや栄養成分は、摂る時間帯や食べ合わせなどによって体内での吸収効率が異なる可能性があるといわれています。
例えば、鉄分はビタミンCと組み合わせて摂ると吸収率が上がることが明らかにされています。野菜ジュースを飲むときは、飲み方も意識してみてはいかがでしょうか。[5,6]

「リコピン」「βカロテン」は脂と組み合わせると吸収率が高まる

トマトに含まれる「リコピン」や緑黄色野菜に多く含まれる「βカロテン」は、水に溶けにくく油に溶ける性質を持っており、油と組み合わせると吸収率が高まることが明らかになっています。
これらには活性酸素の発生を抑え、取り除く、強い抗酸化作用があり、動脈硬化・がん・老化などの原因となる過酸化脂質の生成を抑える働きがあります。野菜ジュースにオリーブオイルを加えて飲むといった工夫で、吸収率アップを試みるのも良いでしょう。[2,3,7]

世田谷自然食品の野菜ジュースの栄養って?

食物繊維も摂れる野菜ジュース 「コクとろ極みの野菜」
にんじん、トマト、かぼちゃ、白菜、アスパラガスなど旬の野菜10種類のみで、食塩や砂糖、添加物、保存料、着色料などを加えずに作られている野菜ジュース。 特ににんじんは、果汁だけでなく粗めに砕いたパルプ(繊維分)まで加えられており、βカロテンも豊富に含まれています。 詳細はこちら
リコピンは豊富な完熟収穫のトマトを使用 「十六種類の野菜」
おなじみの緑黄色野菜から、ケールやビート、パセリなど家庭料理では量を摂りにくい野菜まで16種類を配合している野菜ジュース。 特にトマトは、熟する前に収穫した生食用のものではなく、真っ赤に熟してから収穫した加工用のトマトを使っています。リコピンの量が2~3倍、ジュースで吸収率もアップ!と栄養たっぷりです。 詳細はこちら
野菜では摂れない乳酸菌も! 「ダブルでうれしいプレミアム野菜」
16種類の野菜を280グラムも使っている上に、味噌や漬物といった発酵食品として古くから食べられてきた植物性乳酸菌のひとつ、「ラクトバチルスカゼイ菌」を100億個も配合している野菜ジュース。 野菜の栄養素はもちろんのこと、野菜だけでは摂れない栄養素も詰まった、まさに1ランク上のプレミアムな商品です。 私たちの生活にすっかり溶け込んでいる野菜ジュース。その身近さゆえについ、「糖分が多い野菜ジュースよりも野菜を食べた方がいい」とか、逆に「野菜ジュースを飲んでいるから野菜は足りている」といった極端な考え方にとらわれてしまいがちですが、この記事を通じて、そのままの野菜にも、野菜ジュースにもそれぞれのメリットがあるということをご理解いただけたのではないでしょうか。 毎日の食生活に、生野菜と野菜ジュース、お互いを補い合うような形で取り入れて、効率的にバランスよく栄養を摂っていきましょう。 詳細はこちら
【参考文献】
[1]文部科学省, 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
[2]KJ Yeum, et al. Carotenoid bioavailability and bioconversion. Annu Rev Nutr. 2002;22:483-504.
https://www.annualreviews.org/doi/10.1146/annurev.nutr.22.010402.102834?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori%3Arid%3Acrossref.org&rfr_dat=cr_pub++0pubmed
[3]J Shi, et al. Lycopene in tomatoes: chemical and physical properties affected by food processing. Crit Rev Biotechnol. 2000;20(4):293-334.
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/07388550091144212
[4]消費者庁, <事業者向け>食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン 第3版
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/food_labeling_cms206_20201001_02.pdf
[5]M Garaulet, et al. Timing of food intake and obesity: a novel association. Physiol Behav . 2014 Jul;134:44-50.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0031938414000031?via%3Dihub
[6]厚生労働省, e-ヘルスネット「鉄」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html
[7]厚生労働省, e-ヘルスネット「カロテノイド」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html
(全て2020-05-06参照)