2024年06月07日

健康メニュー|初夏の風物詩、アユ

夏の魚といえば、川に生息するアユです。アユは水のきれいな川に生息する天然ものと養殖ものの2種類があり、栄養を豊富に含んでいます。今回は、アユの基本的な情報と豆知識、栄養価や食べ方についてご紹介します。


夏の魚といえば、川に生息するアユです。アユは水のきれいな川に生息する天然ものと養殖ものの2種類があり、栄養を豊富に含んでいます。今回は、アユの基本的な情報と豆知識、栄養価や食べ方についてご紹介します。

 

アユってどんな魚?

 

アユは北海道から沖縄まで日本全国に分布する淡水魚です。日本では昔から釣りや食用として親しまれている魚で、万葉集でもアユに関する歌が詠まれているほど、古くから日本人になじみのある魚なのです。

川に生息している魚として知られるアユですが、その生態は2種類に分けられます。1つは「両側回遊型」と呼ばれるタイプで、卵からふ化した仔魚が海まで下り、幼魚になるまで一時的に海で生活します。もう1つのタイプは、海へ下る代わりに湖と流入河川で生活する「陸封型」で、琵琶湖に生息するアユがこれにあたります。

アユの豆知識

 

澄んだきれいな川を好むアユは、濁った水の中では暮らせません。そのため、アユが住んでいる川はある程度きれいな水であるといえます。また、身からスイカのような匂いがするのもアユの大きな特徴。この匂いから、「香魚」とも呼ばれています。

アユを食べられる時期は、大きく分けて4~5月、6~8月、9~10月の3回です。地域にもよりますが、アユは10月から5月末まで禁漁期間となっているため、1年で最初に旬を迎える4~5月に食べられるアユは養殖のみ。禁漁期間が明けた後の6~8月はアユの最盛期と呼ばれる旬の時期で、この時期のアユは最も脂が乗っていて香りも楽しめます。そして9~10月は、卵を持った子持ちアユが味わえ、旬の時期とはまた違う風味を楽しめます。

アユは、俳句の季語にもなっています。最盛期の夏は「アユ」がそのまま季語になっており、「鵜飼」も同様に夏の季語です。春は「若アユ」、秋は「落ちアユ」のように、四季折々で異なる呼び方をして季節を表します。

アユの食べ方は塩焼きがよく知られていますが、その他にもアユご飯やアユ雑炊といったご飯もの、天ぷらや甘露煮、刺身や寿司など、さまざまな調理法で食べられています。

アユの栄養・食べ方

 

天然のアユは川の中の岩や川底に付いた藻を食べて育ちますが、澄んだ水ほど良質な藻があるため、きれいな水で育ったアユほど香りがよく珍重されます。天然のアユには前述の通り旬の時期があり、禁漁期間は食べられません。一方で、養殖のアユは季節を問わず1年を通して食べられます。

養殖ものよりも天然もののアユの方がおいしいのでは、と思われる方もいるかもしれません。養殖のアユは天然のアユよりも香りは控えめですがより脂が乗っているので、エネルギーや栄養価が高めという特徴があります。また、養殖のアユには寄生虫がいないため、刺身でも安心して食べられるというメリットも。

アユは、栄養面でも優れた魚です。たんぱく質やカルシウムが多く含まれており、強力な抗酸化作用で血管や肌の老化予防や血行改善効果などが期待できるビタミンEも豊富です。

アユは、他の淡水魚よりもエネルギーが高めですが、他の栄養素が豊富、かつ高たんぱく低脂質で比較的ヘルシーな食材のため、ダイエット中にもおすすめです。ただし、調理法によっては塩分を摂りすぎてしまうため注意しましょう。特にアユの定番調理法である塩焼きは、どうしても塩分が多くなりがち。塩分の摂りすぎはむくみや高血圧の原因となるので、アユをヘルシーに食べるには塩分控えめの調理法を意識しましょう。

アユは、夏の風物詩ともいえる魚です。これから旬を迎える栄養豊富なアユをさまざまな調理法でおいしく味わってみましょう。