2023年09月11日

新提案!普段の生活習慣にひと工夫。家庭の防災対策

「非常時に備える」というと特別なことのように感じますが、実は、整理整頓を心がけるだけでも防災につながり、生活習慣を少し見直すだけで家の中の安全性を高めたり、非常時の備えになったりすることがたくさんあります。これまでの生活習慣を少し変えるだけで実践できる、家庭の防災対策をご紹介します。


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教えていただいたのは 監修:国崎 信江(くにざき のぶえ) 株)危機管理教育研究所代表、危機管理アドバイザー 阪神・淡路大震災をきっかけに、女性として、母としての視点で家庭を守るための防災対策を提唱してきた。内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)課題「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」イノベーション戦略的コーディネーター、内閣府「防災スペシャリスト養成企画検討会」委員等を務める。
目次 ● 日常生活の中でできる防災対策を始めましょう ● 暮らしのひと工夫 ● 食材のひと工夫 ● 持ち物のひと工夫 ● 最後に

日常生活の中でできる防災対策を始めましょう

日本は災害大国といわれ、地震、台風、洪水、津波、など、多くの自然災害のリスクがあります。誰もがいつ被災してもおかしくないこの国において、安全・安心な暮らしを守るためには、日ごろの備えは欠かせません。また、最近は避難所の密を避けるうえでも、自宅で居住が継続できる場合は在宅避難が推奨されています。各項目を参考にしながら、できるだけ安全に、安心して在宅避難ができる環境を整えておきましょう。

暮らしのひと工夫

日常の暮らしの中に、災害時の危険が潜んでいます

家の中に思わぬ危険が潜んでいないかを、見直してみましょう。
ポイントは5つです。

1.家具の下敷きになったり、脱出できなくなったりする危険が!
タンスや本棚、食器棚などの家具、冷蔵庫やテレビなどの家電製品はきちんと固定しないと、下敷きになる危険があります。また、万が一倒れたときに、出入り口をふさぐような配置になっていないかを確認し、必要に応じて配置換えしましょう。
2.転倒して逃げ遅れる危険が!
火災などであわてて逃げ出そうとするとき、人は足元への注意がおろそかになります。床にいろいろなものがあるとつまずいて転倒する危険があるので、できるだけ床に物を置かないようにしましょう。
3.食器類が破損してけがをする危険が!
重ねて収納してある食器は、地震の揺れで滑り出してくる危険があります。棚板に滑り止めシートを敷く、開き戸にはS字フックを引っかける、専用器具を付けるなど、飛び出しを防止しましょう。ガラス扉の場合は、ガラス飛散防止フィルムを貼っておきましょう。
4.在宅避難のストレスが増える危険が!
洗い物はシンクの中にためず、すぐに洗って片付けましょう。あとでやろうと思っているときに断水したら、汚れ物を何日も放置することになります。包丁も急な地震で落下し、けがをする危険があるので、使い終わったらすぐに片付けましょう。
5.お気に入りのインテリアでけがをする危険が!
花瓶や写真立て、人形ケースなど、ガラスや陶磁器のものは落下して破損したりすれば凶器に変わります。できるだけ、紙製やアクリル、ビニールなど、軽く、壊れにくい素材のものを選び、買い替えや模様替えのタイミングで変えていきましょう。

食材のひと工夫

食料品は多めに買って使いまわす「家庭内流通備蓄」の習慣を
「非常食」として普段食べないものをストックしておくのではなく、普段の食材を少し多めに買い置きして使いまわす「家庭内流通備蓄」を習慣にしましょう。たとえガスや電気が止まっても、卓上カセットコンロで大抵の調理はできるので、食材があれば在宅避難も安心です。(カセットコンロと予備のボンベは必需品です)
節約や時短の工夫が防災になる
野菜の工夫 野菜は安いときに多めに買って、使いやすい大きさにカットし、下茹でして冷凍しておきましょう。普段の調理の時短にもなりますし、被災して停電した場合も自然解凍されたものを利用できます。
缶詰・乾麺の工夫 缶詰や乾麺など保存がきくものも、安いときに多めに買っておきます。その際、災害時にも使いやすいのが、素麺や、早ゆでパスタ。ゆでる時間が短いので燃料の節約になります。
お米の工夫 お米も普段から無洗米を選ぶようにしておくことをお勧めします。
果物は最高の非常食
果物は、水分と糖分の補給ができて、ビタミンもとれる最高の非常食です。調理の必要もなく、リンゴやミカンならポケットに入れて持ち歩くこともできます。おすすめは、バナナやキウイなど1年中購入できるものと季節の旬のもの。2~3種類の果物を常備しておきましょう。
プラス新提案 在宅避難には鍋料理が最適 鍋料理はいろいろな具材を使えるので、冷蔵庫の中で傷みそうなものから順に使っていくと食材に無駄がありません。一度つくって終わりではなく、最初は塩や醤油味で、翌日は味噌を足したり、カレー風味にすると飽きずに食べられ、栄養もしっかりとれます。普段から豆乳の買い置きをしておくと、水を使わずに豆乳鍋ができますし、トマトジュースや野菜ジュースも鍋に使えるので、普段飲んでいる方は多めにストックしておくといいでしょう。

持ち物のひと工夫

最低限必要なものを携帯する習慣で外出先での災害にも備える

普段使っているカバンの中に、災害時に備えて必要最低限のもの(例えば、眼鏡やコンタクトレンズ、常備薬、絆創膏など)を入れておきましょう。自宅から急いで避難しようというときに、パッと手に取るのは財布などが入っている普段使いのカバンです。外出先で災害にあった場合にも役立ちます。

プラス新提案 災害時にないと困る現金、「防災貯蓄」で備えを 月に3000円~5000円を、防災費として貯めておきましょう。すべて1000円札で、現金のまま手元に置いておきます。災害で停電すると、クレジットカードや電子マネーが使用できなくなり、現金が必要になります。釣銭の小銭はどんどんなくなっていくのでペットボトルの水を1本買うのに1万円札を渡してお釣りがもらえないということもあり、1000円札を用意しておくことが大切なのです。また、在宅避難ができないとき、防災貯蓄があればホテル避難も可能になり、避難所よりも快適に過ごすことができます。

最後に

ここでご紹介したことをすべて、すぐに取り入れるのは大変かもしれませんが、どれも難しいことではありません。毎日の安心のために、できることから始めましょう。