2023年11月15日

健康メニュー|「ポトフ」野菜と肉のうま味がしみじみおいしい

肌寒い夜には、あたたかくてやさしい味のものが食べたくなりますね。フランスの家庭料理「ポトフ」は野菜と肉を柔らかく煮込んだ、洋風おでんのようなメニューです。日本の出汁文化にも通じる奥深い味わいを楽しめます。


肌寒い夜には、あたたかくてやさしい味のものが食べたくなりますね。フランスの家庭料理「ポトフ」は野菜と肉を柔らかく煮込んだ、洋風おでんのようなメニューです。日本の出汁文化にも通じる奥深い味わいを楽しめます。

 

フランスの家庭料理「ポトフ」

寒い季節にしみじみおいしいポトフは、フランスの家庭料理のひとつです。本場では牛のスネやテール、バラ肉をハーブと野菜で煮込んで、塩だけで調味します。日本では豚肉やソーセージ、ベーコンも入れますが、そうした牛肉以外を使ったポトフは「ポテ」と呼ばれます。

野菜を大きめに切ったらあとは煮込むだけですから、加熱時間こそ長いですが思いのほか手間の少ない料理です。また、肉も野菜もとろけるように柔らかいので、子どもからシニアまで食べやすく、家庭料理として長く愛され続けてきたことにもうなずけます。

野菜と肉の「UMAMI」が溶け出す、出汁を味わう一品

ポトフは大きな鍋で大量に作って取り分ける、日本のおでんに近い存在と言えます。野菜と肉をじっくり煮込んだスープはうま味が溶け出しており、日本の出汁文化に通じるところがありますね。

ちなみに、うま味は日本人が見つけたものと言われていて、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」に続く第5の味覚とされています。他の国にうま味を指す言葉がなかったことは意外ですが、この記事でご紹介しているポトフのほか、ブイヤベース、ミネストローネ、サムゲタン、テールスープなど、うま味を楽しむ料理は世界中にあります。現在、うま味は「UMAMI」という国際語になり、和食ブームとともに世界的に認知されつつあります。

残ったスープは翌朝の雑炊にしても◎

ポトフを取り分けて残ったスープは、うま味たっぷりの出汁そのもの。せっかくできた手作りの出汁ですから、最後までおいしくいただきましょう。おすすめなのは、翌日にご飯を加えて煮込み、雑炊にする方法。寝起きの体がゆっくりあたためられて、気力がチャージされていくようなおいしさがあります。日本風に少しのしょう油や味噌を加えるのもおいしいですよ。

 

春夏秋冬を楽しむ、ポトフに合う野菜

 

にんじん、ジャガイモ、キャベツが代表的な具材ですが、別の具材を入れてもOK。旬の時期に安い野菜を活用して、おいしくお得に作ってみてはいかがでしょう。

新じゃが(春~初夏)

新じゃがは、春だけの味わい。皮が薄いので、ポトフに入れる時も皮付きのままでどうぞ。通常のジャガイモよりもビタミンCが豊富です。柔らかい春キャベツもおすすめです。

トマト(初夏~夏)

トマトは加熱することで、栄養価もうま味もアップします。丸ごとや半分に切って入れて、崩しながら食べても美味です。

レンコン(秋~冬)

空咳やノドの乾燥によいとされるレンコンは、秋冬にたくさん食べたい旬野菜です。煮込むことでシャキシャキからホクホクへと食感が変わります。
また、ポトフのメイン野菜であるにんじん・ジャガイモも秋に旬を迎えます。

セロリ(冬~春)

爽やかな香りには、気持ちを落ち着かせるはたらきも。葉は茎よりもビタミンが豊富なので、ぜひ葉も煮込んでください。肉の臭み消しにも一役買う香り野菜です。

手間ひまかけた本格的なレシピも存在しますが、ポトフは家庭料理ですから好きな野菜を使ったり、少ししょう油を加えてみたり、自由な発想で作ってOKです。旬の野菜をたっぷり使えば、一年を通して季節を感じる一品になります。秋冬はもちろん、いつでも食べたい定番料理として、レパートリーに加えてみてくださいね。