2023年11月10日

健康メニュー|「銀だら」はタラじゃない? 濃厚な脂は煮付け・塩焼きにも

日本の食卓にのぼることが多い銀だらは、惣菜魚としても人気の高い魚です。その名称からタラの仲間と思っている方が多いかもしれませんが、実は銀だらとタラには大きな違いがあります。今回は、秋から冬にかけて旬を迎える、銀だらの基本情報とおいしい食べ方をご紹介します。


日本の食卓にのぼることが多い銀だらは、惣菜魚としても人気の高い魚です。その名称からタラの仲間と思っている方が多いかもしれませんが、実は銀だらとタラには大きな違いがあります。今回は、秋から冬にかけて旬を迎える、銀だらの基本情報とおいしい食べ方をご紹介します。

 

銀だらはスズキ目

 

銀だらは、「タラ」という名前がついていることに加えて見た目が似ており、どちらも鍋物や漬け焼きにすることが多いので同じ種類の魚のようにみられることがあります。しかし、銀だらはカサゴ目ギンダラ科の深海魚、タラはタラ目タラ科とまったく別の種類で、どちらかというとホッケやアイナメに近い魚です。

銀だらは、稚魚のうちは海の表層から中層に生息していますが、成長すると水深300~600メートルの深海に生息します。「銀だら」という名称は、一説には見た目がタラに似ていて銀色に近い色のからだをしていること、タラの代用品として販売されていたことから呼ばれるようになったといわれます。

秋から冬にかけて旬を迎える銀だらは、日本でも北海道や東北地方で水揚げされていますが漁獲量は多くありません。日本で流通している銀だらの多くはアメリカやカナダから輸入されたもので、特にカナダからの輸入量が多い魚です。

食嗜好の変化で、一躍人気者に

 

銀だらの特徴といえば、脂がのったクセのない濃厚な味わい。タラの代用品として煮物や鍋用として販売されていた銀だらですが、当初はさっぱりとした風味によい出汁が出るタラと比較すると脂が多すぎるため、あまり人気がなく価格も安い魚でした。

近年は日本人の食の好みの変化により、脂肪分の高い銀だらは一躍人気が高まりました。世界的にも銀だらの需要が増えていることによる輸入量の減少も相まって、銀だらの価格は高騰しています。今や、銀だらの価格はタラよりも高いほどです。

刺し身の食べ過ぎには注意

 

銀だらは煮たり焼いたりして火を通して食べるのが定番ですが、最近では刺し身として食べられることも増えています。全身が大トロと称されるほど脂がのっているので、とてもおいしく食べられます。しかし、おいしからといって食べ過ぎには要注意です。

銀だらは魚の中でも珍しくたんぱく質より脂質が多い魚なので、他の魚の刺し身と同じ感覚で食べ過ぎると、脂の摂り過ぎにより胃もたれや下痢を引き起こす可能性があります。刺し身として銀だらを食べる際は、摂取量に気をつけましょう。

柔らかい身と濃厚な味は煮付けにぴったり

 

銀だらは加熱しても硬くなりにくいので、煮付けに最適の魚です。脂が全体にのっているため、汁物や鍋物にすると濃厚な脂でコクの深い味わいに。また、シンプルに塩焼きにするのもおすすめです。振り塩をして少しおいた切り身の銀だらをじっくり焼けば、染み出した脂で表面をカリッと香ばしく、中身も脂でふっくらジューシーに仕上げられます。魚を焼く時はバターやオリーブオイルを使うことが多いですが、脂の多い銀だらを焼くにはくどい味付けになる可能性があります。さっぱりと焼き上げたい場合は、魚焼きグリルで焼く、またはサラダ油で焼くといいでしょう。

世田谷自然食品では、湯せんまたはレンジ加熱のみでさまざまな料理を味わえる「世田谷の絶品グルメ」で、西京味噌に漬け込んだ銀だら料理の定番メニュー「銀だらの西京焼き」を販売しています。甘い脂と西京味噌の塩気は、ごはんのおかずにぴったりです。

脂たっぷりで加熱しても刺し身としてもおいしく味わえる銀だら。これから旬を迎える魚を、さまざまな方法で味わってみましょう。