季節や行事ごとに登場する和菓子は、古の人々のさまざまな願いを込めて作られ、食べられてきました。今回は、和菓子や、その素材にまつわるさまざまな縁起をご紹介します。ご自宅用にも贈答用にも役立つ知識ですので、ぜひ参考になさってください。
2024年01月24日
季節や行事ごとに登場する和菓子は、古の人々のさまざまな願いを込めて作られ、食べられてきました。今回は、和菓子や、その素材にまつわるさまざまな縁起をご紹介します。ご自宅用にも贈答用にも役立つ知識ですので、ぜひ参考になさってください。
季節や行事ごとに登場する和菓子は、古の人々のさまざまな願いを込めて作られ、食べられてきました。今回は、和菓子や、その素材にまつわるさまざまな縁起をご紹介します。ご自宅用にも贈答用にも役立つ知識ですので、ぜひ参考になさってください。
「花びら餅」は、お正月の京都や年初めの茶事(初釜:はつがま)で食べられる、季節限定の和菓子です。白い求肥の皮に紅色のひし餅がうっすら透けて、とても雅なたたずまいをしています。なかの餡には京都の白味噌が加えられています。
枝のようにみえる棒は、なんとゴボウを甘く炊いたもの。平安時代に宮中で行われていた、硬いものを食べて歯を丈夫にして長寿を願う「歯固め」の儀式で用いられた「アユの塩漬け」を模したものともいわれています。
甘さのなかに塩気とゴボウの食感・香りが調和して、年始にふさわしい祝菓子です。
夏の京菓子といえば、ぜひ食べておきたいのが「水無月」です。6月の終わりに神社で行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」の時期に食べるお菓子で、近年では京都以外でも提供する和菓子店を見つけることができます。
「水無月」の基本は、白ういろうの上に小豆をのせた三角形。小豆の赤で邪気(病気や災厄)を祓い、氷を模した三角形が暑気を払うとされています。涼しげな見た目は暑気払いにぴったりです。
夏越の祓(なごしのはらえ)については、下記記事で紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
お祝いごとで配られるものの定番といえば「紅白まんじゅう」。神聖さや清浄を表す「白」に、邪気を祓う魔除けの「赤」を組み合わせた、縁起のよい和菓子の代表格ともいえるでしょう。
一説には「赤」は赤ちゃん(赤子)を、「白」は花嫁衣装である白装束を指し、「赤と白」で「一生」を表しているともいわれています。さらに、この2色を「紅白」のセットで扱うようになったのは、平安時代の源平合戦からという説もあります。
語呂合わせだったり、見た目からの連想だったり、和菓子は季節や願いなどの縁起が込められたものが多くあります。ここでは和菓子で用いられる「縁起のよい食材」の一部をご紹介します。ご自身のおやつに選ぶ時や、お土産にお礼にと、さまざまな場面で活用できますよ。
あんこ(小豆)…魔除けの赤、邪気を祓う
もち…原料の米(もち米)は神が宿る五穀のひとつ、神様から生命力を授かる
栗…不老長寿、勝負事に勝つ、イガは魔除け、栗きんとんで金運アップ
きなこ…原料の大豆は神が宿る五穀のひとつ、厄払い、黄色で金運アップ、和菓子「きなこねじり」はしめ縄を模している
和菓子は季節ものも多く、和菓子屋さんに行くと「ああ、もうそんな時季なのね」と、季節の移り変わりを感じさせてくれます。選ぶ際には、かなえたい願い事から探してみるのも一興です。
縁起がよいといえば、お正月にいただく「おせち料理」。ご存じのようにおめでたいものばかりが入っていますから、お正月に備えてその意味をチェックしておくのも楽しいですよ。
ぜひ下記の記事もチェックしてみてはいかがでしょうか。