2022年06月23日

健康メニュー|食べすぎに注意 納豆のちょうどいい食べ方

納豆は健康によくヘルシーな、昔ながらの日本食のひとつ。最近では免疫力アップを期待して食べる方も多いのではないでしょうか。納豆が体にいいのは確かなことなのですが、一度に何パックも食べるなど、極端な食べ方をすると体調を崩してしまうケースも。本記事では、納豆のちょうどいい食べ方と効果をご紹介します。


 

納豆は健康によくヘルシーな、昔ながらの日本食のひとつ。最近では免疫力アップを期待して食べる方も多いのではないでしょうか。納豆が体にいいのは確かなことなのですが、一度に何パックも食べるなど、極端な食べ方をすると体調を崩してしまうケースも。本記事では、納豆のちょうどいい食べ方と効果をご紹介します。

日本が誇る発酵食「納豆」

大豆を発酵させて作る納豆は、良質なたんぱく質と鉄分、食物繊維が豊富。発酵によって、大豆よりもたんぱく質などの消化吸収の効率がアップしています。

上記の栄養素に加え、大豆にはなく納豆には含まれる「納豆菌」「ナットウキナーゼ(酵素の一種)」が、体にいい働きをしてくれることが分かっています。期待できる効果は、たとえば腸内の悪玉菌を減らして腸内環境を整える、免疫力アップ、血栓の予防、骨折の予防(ビタミンKの働き)、更年期障害の改善(大豆イソフラボン)、血糖値の上昇を抑える、などがあげられます。

どんなものも「食べれば食べるほど健康」にはならない

納豆は栄養も豊富でうれしい効能がそろっていますから、「納豆は体にいい」ことは確かです。しかし、納豆の食べすぎは体調不良を招くこともあります。どんな食べ物も健康法も、「やりすぎ」「やらなさすぎ」はよくありません。納豆の食べすぎは以下のような不調を招くことがあります。

納豆菌の摂りすぎ→腹痛や吐き気など

納豆菌は生命力がとても強く、過酷な環境でも死滅せずに増えます。その生命力の強さゆえ、たとえば酒造りの期間中は麹菌と納豆菌が混在しないよう、酒蔵に入る人は納豆を食べることが禁止されているほどです。

納豆菌は腸内でも生命力を発揮しますから、通常なら悪玉菌を減らし、腸内環境を整えて整腸します。しかし、食べすぎから腸内環境の納豆菌が増えすぎて、腹痛や吐き気を招くことも。もし毎日積極的に納豆を食べているのに、おなかの調子がよくない場合、数日間納豆を摂るのをやめて様子をみてみましょう。

イソフラボンの摂りすぎ→婦人系疾患をもたらす可能性

納豆はほかの大豆製品と同じく、女性にうれしいイソフラボンが豊富です。イソフラボンはその構造が女性ホルモン「エストロゲン」とよく似ているために、体内で女性ホルモンのような働きをします。イソフラボンを含んだ食材が、更年期障害緩和やアンチエイジングとして、漢方薬や健康食品に利用されているのもそのためです。

適切なイソフラボンの摂取は上記のような効能が期待できますが、しかし、イソフラボンの摂りすぎもまた、婦人科系疾患をもたらす可能性があります。イソフラボンは1日の摂取量目安があって、70~75ミリグラムです。納豆1パックの含有量は35ミリグラムですから、1日2パックは摂りすぎといえます。

ビタミンKの摂りすぎ→血栓症などの治療中は控えめに

納豆は丈夫な骨を作ったり、出血を止めたりするのに必要な「ビタミンK」が豊富です。血液の抗凝固剤「ワーファリン」を服用している方は、ビタミンKの血液を凝固する働きが、薬の効き目を打ち消してしまいますから、摂りすぎには要注意です。

目安は1日1パック、適量で効果を発揮

 

ここまで、納豆の摂りすぎに注意を促してきましたが、理解していただきたいのは納豆が健康にいい食べ物であることは確かであり、問題は「摂りすぎ」にあるということです。

では、納豆を食べる時の適切な量はどのくらいかといえば、一般的に健康な方は1日1パックが目安です。2パック食べたからといってすぐに問題になるわけではありませんが、毎日2パックというのは摂りすぎですから1パックに減らしましょう。

また、「納豆はヘルシー」というイメージのためか、なんとなく納豆を「野菜」に近いものとして捉えている方もいらっしゃるようです。しかし、納豆や豆腐などの大豆製品はたんぱく質が豊富なので、むしろこれらは「肉・魚」のグループとして考えるのが正解。たとえば「納豆・豆腐のおみそ汁・焼き鮭・ご飯」を朝食で一度に食べるより、朝に納豆とおみそ汁(豆腐以外)、昼に豆腐、夜に焼き鮭といったように、たんぱく源を1日にまんべんなく食べるようにすると、よりバランスがよくなります。

また、納豆はプリン体も豊富(1パックあたり約57ミリグラム)です。レバーやエビ、カツオなどのプリン体が豊富な食材を控えている方は、同様に納豆の摂取も控えめにしましょう。

どんな健康食材でも、全ての栄養素をカバーしているものはなく、どれも一長一短があります。納豆は低脂質・高たんぱくな優秀食材ですが、そればかりでは動物性たんぱく質や鉄分、適切な脂質が不足してしまいます。肉・魚・卵などと合わせて、納豆や豆腐もバランスよく適量を食べれば、どの食材もしっかり働いてくれるはずです。

以下の記事では、納豆に入れたい薬味(みょうが、しょうが、ニラ、シソ、ネギ)と、その効能をご紹介しています。たっぷり薬味を入れて、一品の栄養バランスをアップさせましょう!

健康のために積極的に納豆を食べている方には、ちょっと意外な情報だったかもしれません。しかし、「~すぎる」ことがよくないのは、食材のみならず全般にいえることで、お酒でも運動でも何でも同じなのです。最も大切なのはバランス。健康食材ひとつに頼ることなく、複数取り入れて、健康に役立てていきましょう。