健康の強い味方!スパイスの世界を学ぼう
夏は薄着になる季節。すっきりデトックスをしたいと思う人も多いのでは。近年、さまざまな健康効果が注目され、日本でも多くの種類が流通するようになったスパイス。簡単で美味しい取り入れ方を学び心身軽やかな夏を迎えましょう。
教えていただいたのは
監修: 武政 三男(たけまさ みつお)
スパイスコーディネーター協会理事長、株式会社スパイススタジオ代表取締役社長。大手メーカーでスパイスブランドの開発と啓発に携わり、その後、ホテルや香料会社勤務を経て留学。「スパイスの新しい適合性評価手法」を学会で発表した。現在はスパイスコーディネーターの育成や、スパイスの商品開発、販売企画のコンサルタントなどに従事する。『スパイスの科学』『80のスパイス辞典』など著書多数。近著に『大人時間を味わう たのしいスパイス絵本』(監修)
スパイスとは何か
スパイス(香辛料)は、植物の種子や果実、葉、根、樹皮などをそのまま、あるいは乾燥させて使う調味料の一種です。起源は諸説ありますが、紀元前から肉の臭み消しや防腐剤として利用されていたようです。
料理の風味付けにはハーブも使われますが、実はスパイスとハーブを分ける明確な定義はありません。ハーブはもともとヨーロッパの伝承医療で薬草として用いられ、香料や防虫などにも使われますが、食用に適さないものも多くあります。ハーブを含めて料理の香り付け、味付けなどに使う植物をスパイスと呼ぶのが一般的です。
スパイスの効果とは
スパイスは香り付け、辛味付け、色付け、臭み消しのいずれか、あるいは複数の作用を持ち、これらが食欲増進やリラックス効果、デトックス効果などをもたらします。また、料理の味を引き締め、塩分や糖分の摂取量を減らす効果もあります。ただし、大量に摂取すると中毒症状や副作用を起こすスパイスもあるので適量を守りましょう。
スパイスの4つの基本作用
香り付け
シナモン、バジル、ミント、クミンなどの強い香りのもとは、葉や茎の細胞に蓄えられた揮発性の精油成分。デトックスのような薬理効果や防腐効果など健康に役立つとされる効果の多くは精油成分によるものです。辛味付け
辛み成分はスパイスによって違います。唐辛子などに含まれるカプサイシンは熱く、長続きする辛さで食欲の増進に。コショウのピペリンはピリッと刺すような辛さで血行促進の効果があります。色付け
スパイスの色素成分は料理の見た目を鮮やかにしてくれます。サフランのように水に溶けるタイプと、ターメリック、パプリカのように油に溶けるタイプがあり、調理法によって使い分けます。臭み消し
ニンニクやショウガは、炒めると独特の香りで肉の臭みを和らげます。タイムやフェンネルは魚の生臭さを消すのに有効です。主なスパイスの種類
世界には700種ものスパイスがあると言われています。
ここではよく使われている代表的なスパイスを紹介します。
初心者でも簡単!上手なスパイスの取り入れ方
1.ハーブティーやハーブオイルを作ろう
ハーブティー
ミントやレモングラスなどのフレッシュハーブに熱湯を注いで蒸らして作ります。シナモンティー
紅茶にシナモンパウダーとお好みで砂糖を加えて、完成です。ハーブオイル
オリーブオイルにバジルやタイム、ガーリックなどを入れ、料理やパンのディップに活用。何種類か組み合わせるのもおすすめです。2.形態ごとに使い分けよう
ホール
素材の下ごしらえに用いるほか、調理前の油に入れて熱し、油に香りを移して利用します。また、じっくり煮込む場合にも適しています。パウダー
臭み消しなど下ごしらえの時にも使いますが、多くは煮込む時や炊く時に加えます。フレッシュ(生)
サラダや料理の薬味や彩りのために活用します。また、西洋では魚の香草焼きに使います。3.ミックススパイスを使おう
複数のスパイスを使う料理も多く、カレーには10種類以上のスパイスが入ることも少なくありません。個々では香りが強いスパイスも組み合わせによって香味が混ざり合ってまろやかになります。自分でブレンドするのは難しいという人は市販のミックススパイスを使ってみましょう。七味唐辛子
五香粉(ウーシャンフェン)
ガラムマサラ
チリパウダー
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