健康法|丑の日は「桃の葉湯」に入ろう!夏の薬湯
ついついシャワーだけで済ませがちな夏のお風呂ですが、実はゆず湯など冬の季節湯と同じように、「夏の季節湯」もさまざまなものがあります。今回は、暑い時にもおすすめの「夏の季節湯」について、昔ながらの薬湯やおすすめの薬湯をご紹介します。
ついついシャワーだけで済ませがちな夏のお風呂ですが、実はゆず湯など冬の季節湯と同じように、「夏の季節湯」もさまざまなものがあります。今回は、暑い時にもおすすめの「夏の季節湯」について、昔ながらの薬湯やおすすめの薬湯をご紹介します。
土用の丑の日に入る「桃の葉湯(桃湯)」
■江戸時代から伝わる「丑湯」こと「桃の葉湯(桃湯)」
夏、「土用の丑の日」といえば、うなぎなど「“う”のつく食べ物で精をつける」習慣がよく知られています。同じく江戸時代から続いている「土用の丑の日」の習慣が、桃の葉を煮出したものを注いだお風呂に入る「丑湯(うしゆ)」です。
■桃の葉にはお肌にうれしい効きめが
桃の葉は昔からあせも、しっしん、肌荒れなどに効果的な、お肌にうれしい薬草といわれます。桃の葉に含まれるポリフェノールの一種「タンニン」に、消炎作用や保湿、新陳代謝を高めるといったお肌を健やかにする働きがあるためだと見られています。タンニンには解熱作用やお肌を引き締める収れん作用もあるので、日焼けなどでトラブルの多い夏のお肌には特におすすめなのです。
■公衆浴場のイベント湯もチェック!
本来は生の桃の葉を煮出す「桃の葉湯」ですが、菖蒲や柚子の実のように、生の桃の葉が出回ることはあまりなく、家庭では入浴剤などを使うことが多いようです。また、全国の銭湯などでも土用の丑の日前後には「桃の葉湯」が盛んに実施されていますので、ぜひチェックしてみてください。
あたたまりながらすっきりと「ハッカ湯(ミント湯)」
■暑い時でも爽やかでゆっくりつかりやすい
8月の季節湯ともいわれるハッカ湯(ミント湯)。ハッカ油やミントのアロマオイルをお湯に垂らして手軽に楽しめますし、家庭菜園などでたくさん獲れた時は、枝ごと束ねてお風呂に浮かべるのもおすすめです。独特の清涼感のある香りに加えて、蒸発する際に体の熱を奪う性質があるので、あたたかいお風呂でもゆっくりつかりやすく、湯上がりもスーッと爽やかに過ごせます。
ミントについて詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
梅雨が明けてもぜひ入りたい「どくだみ湯」
■どくだみの強いにおいには殺菌作用がある
6月の季節湯といわれるどくだみ湯。独特の強いにおいには強力な殺菌作用があり、花や葉を度数の高いアルコールに漬けた「どくだみチンキ」は虫よけやうがい薬などに使われることもあります。
■どくだみを天日干ししておけば、夏も楽しめる
どくだみは主に5月~6月の梅雨どきに見られ、夏に入るとシーズンが終わりますが、シーズン中に収穫して天日で乾燥させておけば、夏の間や、それ以降も引き続きどくだみ湯を楽しめます。干したどくだみは殺菌作用こそ弱まってしまうものの、独特のにおいも和らぐので入りやすくなりますよ。
どくだみ湯について詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
花畑を思い浮かべながら「ラベンダー湯」
■初夏はラベンダーのシーズン
ドライフラワーなどが年中出回っていることから、あまり意識されていないかもしれませんが、ラベンダーの本来のシーズンは初夏。地域によって若干の差はありますが、6月下旬~7月下旬ごろとされています。切り花があまり流通しないこともあり、お風呂に生花が用いられるのは稀ですが、満開の花畑をイメージしながらラベンダー湯につかってみるのも乙なものです。
■ラベンダー湯には夏の疲れにうれしい特徴も
ラベンダーの香りには安眠、精神をリラックスさせる、痛みを和らげる、血圧を下げるなどの効果が期待できます。入浴剤も手に入りやすいですし、ラベンダーのアロマオイルは比較的安全で扱いやすいので、アロマオイルを垂らしたラベンダー湯もおすすめです。
アロマオイルについて詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
入浴剤などもさまざまな種類が出回っており、夏にゆず湯に入ったり、行ったこともない遠い温泉の気分を味わったりといったことも随分手軽に楽しめるこのごろ。でも、昔から好まれてきた夏の薬湯には、暑い季節を快適に過ごすさまざまな知恵が詰まっています。ぜひ上手に取り入れて、夏を健やかに乗り切っていきましょう。
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