健康メニュー|「ポトフ」野菜と肉のうま味がしみじみおいしい
肌寒い夜には、あたたかくてやさしい味のものが食べたくなりますね。フランスの家庭料理「ポトフ」は野菜と肉を柔らかく煮込んだ、洋風おでんのようなメニューです。日本の出汁文化にも通じる奥深い味わいを楽しめます。
肌寒い夜には、あたたかくてやさしい味のものが食べたくなりますね。フランスの家庭料理「ポトフ」は野菜と肉を柔らかく煮込んだ、洋風おでんのようなメニューです。日本の出汁文化にも通じる奥深い味わいを楽しめます。
フランスの家庭料理「ポトフ」
寒い季節にしみじみおいしいポトフは、フランスの家庭料理のひとつです。本場では牛のスネやテール、バラ肉をハーブと野菜で煮込んで、塩だけで調味します。日本では豚肉やソーセージ、ベーコンも入れますが、そうした牛肉以外を使ったポトフは「ポテ」と呼ばれます。
野菜を大きめに切ったらあとは煮込むだけですから、加熱時間こそ長いですが思いのほか手間の少ない料理です。また、肉も野菜もとろけるように柔らかいので、子どもからシニアまで食べやすく、家庭料理として長く愛され続けてきたことにもうなずけます。
野菜と肉の「UMAMI」が溶け出す、出汁を味わう一品
ポトフは大きな鍋で大量に作って取り分ける、日本のおでんに近い存在と言えます。野菜と肉をじっくり煮込んだスープはうま味が溶け出しており、日本の出汁文化に通じるところがありますね。
ちなみに、うま味は日本人が見つけたものと言われていて、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」に続く第5の味覚とされています。他の国にうま味を指す言葉がなかったことは意外ですが、この記事でご紹介しているポトフのほか、ブイヤベース、ミネストローネ、サムゲタン、テールスープなど、うま味を楽しむ料理は世界中にあります。現在、うま味は「UMAMI」という国際語になり、和食ブームとともに世界的に認知されつつあります。
■残ったスープは翌朝の雑炊にしても◎
ポトフを取り分けて残ったスープは、うま味たっぷりの出汁そのもの。せっかくできた手作りの出汁ですから、最後までおいしくいただきましょう。おすすめなのは、翌日にご飯を加えて煮込み、雑炊にする方法。寝起きの体がゆっくりあたためられて、気力がチャージされていくようなおいしさがあります。日本風に少しのしょう油や味噌を加えるのもおいしいですよ。
春夏秋冬を楽しむ、ポトフに合う野菜
にんじん、ジャガイモ、キャベツが代表的な具材ですが、別の具材を入れてもOK。旬の時期に安い野菜を活用して、おいしくお得に作ってみてはいかがでしょう。
■新じゃが(春~初夏)
新じゃがは、春だけの味わい。皮が薄いので、ポトフに入れる時も皮付きのままでどうぞ。通常のジャガイモよりもビタミンCが豊富です。柔らかい春キャベツもおすすめです。
■トマト(初夏~夏)
トマトは加熱することで、栄養価もうま味もアップします。丸ごとや半分に切って入れて、崩しながら食べても美味です。
■レンコン(秋~冬)
空咳やノドの乾燥によいとされるレンコンは、秋冬にたくさん食べたい旬野菜です。煮込むことでシャキシャキからホクホクへと食感が変わります。
また、ポトフのメイン野菜であるにんじん・ジャガイモも秋に旬を迎えます。
■セロリ(冬~春)
爽やかな香りには、気持ちを落ち着かせるはたらきも。葉は茎よりもビタミンが豊富なので、ぜひ葉も煮込んでください。肉の臭み消しにも一役買う香り野菜です。
手間ひまかけた本格的なレシピも存在しますが、ポトフは家庭料理ですから好きな野菜を使ったり、少ししょう油を加えてみたり、自由な発想で作ってOKです。旬の野菜をたっぷり使えば、一年を通して季節を感じる一品になります。秋冬はもちろん、いつでも食べたい定番料理として、レパートリーに加えてみてくださいね。
関連する投稿
朝食は、1日のスタートを切るための大事な栄養源です。できるだけ栄養バランスのとれたヘルシーメニューを摂りたいものですが、毎朝続けるのはなかなか難しいと感じている方は多いのではないでしょうか。今回は、少しの工夫で朝食をヘルシーにするコツをご紹介します。
春の旬の食材が味わえる「郷土寿司」。古くから保存食としてや、お祭りやお祝いの席で食べられてきた趣のある料理で、地域ごとにさまざまな個性を持っています。今回は、長く愛され続けてきたその歴史や味わいについて詳しくご紹介します。
華やかで愛情を表現する花の代表格といえる「バラ」。バラは5~6月に咲くのが一般的ですが、品種によっては1年を通して楽しめるのも特徴です。今回は、バラが咲く時期やバラの花言葉、さまざまな健康効果も期待できるバラ茶やバラの香りについてご紹介します。
日々の食卓を彩る、上品な味わいの「お吸い物」。起源は奈良時代まで遡り、当時の文献にはお吸い物の元となった「羹(あつもの)」の記載が残っています。室町時代には「吸い物」と呼ばれるようになり、江戸時代には具材の数が増え、季節ごとに趣向を凝らしたお吸い物が登場したといわれています。今回はお吸い物の基本から主役となる具材、お吸い物をいただくマナーをご紹介します。
健康メニュー|頭に体にだんぜんヘルシー! 手軽に魚料理を取り入れるコツ
魚を食べることは体にいいと分かっているのに、調理の手間や骨が苦手といった理由で敬遠する方も多いよう。実際、どの世代でも性別に関わらず魚の摂取量は減少しています。そんな今だからこそ知ってほしい、魚を食べることのメリットや、手軽に食事に魚を取り入れるコツをご紹介。今より少しだけ魚を食べることからはじめましょう!
最新の投稿
健康習慣|寿命を延ばすスポーツ第1位はテニス、その理由とは?
人生100年時代に向けて寿命の捉え方も変化し、日常を制限なく生活できる期間とされる健康寿命への関心が高まっています。健康的な人生の時間を延ばすには、どんな生活を送るといいのでしょう。近年の研究では、テニスをする人はまったくしない人に対して死亡率が47%少なく、習慣化している人は平均寿命が9.7年も長いことが分かっています。今回は、テニスの習慣化による健康効果や寿命を延ばす理由について解説します。
朝食は、1日のスタートを切るための大事な栄養源です。できるだけ栄養バランスのとれたヘルシーメニューを摂りたいものですが、毎朝続けるのはなかなか難しいと感じている方は多いのではないでしょうか。今回は、少しの工夫で朝食をヘルシーにするコツをご紹介します。
コミュニケーションの大切さや、心身の健康維持に効果的なポイントをご紹介します。
春の旬の食材が味わえる「郷土寿司」。古くから保存食としてや、お祭りやお祝いの席で食べられてきた趣のある料理で、地域ごとにさまざまな個性を持っています。今回は、長く愛され続けてきたその歴史や味わいについて詳しくご紹介します。
華やかで愛情を表現する花の代表格といえる「バラ」。バラは5~6月に咲くのが一般的ですが、品種によっては1年を通して楽しめるのも特徴です。今回は、バラが咲く時期やバラの花言葉、さまざまな健康効果も期待できるバラ茶やバラの香りについてご紹介します。