健康メニュー|お米と一緒に炊くだけ!スーパーフード「もち麦」とは
もちもち・プチプチした食感が楽しい「もち麦」。腸内環境を整える食物繊維が豊富で、調理も簡単とあって、じわじわと人気を集めている食材です。今回は、日本人に不足しがちな食物繊維をおいしく気軽に摂れる、「もち麦」の魅力や調理の仕方をご紹介します。
目次
もちもち・プチプチした食感が楽しい「もち麦」。腸内環境を整える食物繊維が豊富で、調理も簡単とあって、じわじわと人気を集めている食材です。今回は、日本人に不足しがちな食物繊維をおいしく気軽に摂れる、「もち麦」の魅力や調理の仕方をご紹介します。
スーパーフード「もち麦」とは
「もち麦」は大麦の一種で、粘性が高くもちもちした食感が特徴です。ご飯と一緒に炊いても味わいに違和感がなく、もちもち・プチプチした食感がおいしさをアップさせてくれます。
栄養面では食物繊維が豊富で、ごぼうの約2倍、玄米の約4倍も含まれています。白米のみの場合は食物繊維が少なく、食後の血糖値が上がりやすいですが、白米にもち麦を混ぜて炊くだけで、意識せずとも1食あたりの食物繊維量を増やすことができます。
食物繊維は食後の血糖値の上昇を緩やかにして糖質の吸収を抑えるほか、腸内細菌のエサとなって腸内のバランスを整えたり、便通をよくしたりと、健やかな日々を過ごすために欠かせない栄養素。しかし、現代日本人の食物繊維摂取量は、全年齢・男女問わず足りていないのだそうです。
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html)
「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」(厚生労働省)を加工して作成
出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html)
「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」(厚生労働省)を加工して作成
足りていない「食物繊維」を意識せず摂れる
食物繊維には、乳酸菌をはじめとする腸内細菌のエサとなって腸内環境を整える「水溶性食物繊維」と、便のカサを増やして排泄を促す「不溶性食物繊維」の2種類があります。
水溶性・不溶性、それぞれに違う働きがあるため、どちらか一方ではなく両方を摂らなくてはなりません。もち麦は、この2種類の食物繊維をバランスよく豊富に含む優秀な食材です。
現代日本人は食の欧米化や白米食によって、誰でも1日あたり3~6グラムの食物繊維が不足しているといわれます。3グラムの不足を補うとすると、ニンジンなら1本弱、トマトなら中サイズのものを2個、本しめじなら1パックと、なかなか手ごわい量になります。6グラムなら、この倍が必要です。
参考:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm
一方、もち麦を白米に混ぜた場合はどうでしょうか。白米1合にもち麦50グラムを足して炊いたご飯なら、お茶碗1杯で食物繊維は約2.3グラム。おかずを増やさずとも、1日2杯のもち麦入りご飯で不足分が補える計算です。
大注目の食物繊維「大麦β-グルカン」がたっぷり
これまで、もち麦の食物繊維の豊富さをご紹介しましたが、なかでも特に取り上げたいのは水溶性食物繊維の「大麦β-グルカン」です。
大麦類に豊富に含まれる「大麦β-グルカン」は、ほかの水溶性食物繊維と同じく腸内環境を整えたり、糖の吸収を抑えたりします。「大麦β-グルカン」はそれだけでなく、その強い粘性でコレステロールを吸着し、排出を促すことも分かってきています。知れば知るほど、もち麦は現代人の食生活に必要なスーパーフードといえそうです。
朝食におすすめ!「セカンドミール効果」で昼食の糖質吸収も抑える
もう一つ、「大麦β-グルカン」のすごい所は、糖の吸収を抑える働きが次の食事まで持続することです。例えば、朝食でもち麦入りご飯を食べておけば、昼食の食後血糖値の上昇まで抑えられることが分かっています。
このように、先に食べた食事(ファーストミール)が次の食事(セカンドミール)の血糖値にまで影響することを「セカンドミール効果」と呼びます。毎日の食事にもち麦入りご飯を組み込むことで、1日の血糖値の安定化が期待できます。
水溶性・不溶性両方の食物繊維が豊富で、現代人にとってうれしい働きがたくさんのもち麦。ご飯に混ぜて炊くだけの簡単さで摂れますから、ぜひ試してみてください。炊けたもち麦入りご飯は、通常の白ご飯と同じく冷凍も可能です。いつものご飯をほとんど変えずに、腸がよろこぶ食事にできますよ。
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